愚痴と悩みと音楽とあれそれ

クソ就活生のクソ日記

こぼれ話

最近一日の出来事をつらつら書けるほど何もやってないので、こぼれ話が連発している。

ちょっと重めの日記が増えてるから、もうちょっとライトな話を書きたい。

 

なので、最近突然始めた読書の話。

 

就活やってると、あれこれやらなきゃいけないことが山積みになったり、あらゆる〆切に追われててんやわんやになりがち。

大体そういう状況に陥ると、決まって他のことをしたくなる。部屋の大掃除とか夏休みの宿題とか、気付いたら違うことやってるでしょう。あれです。

そのあれのおかげで、昔読書の習慣をつけようとして買ったまま一度も読まなかった本に手を伸ばして、今、色んなことを棚に上げて読んでいるのだ。

 

そもそも、昔から僕は活字というものが大嫌いだった。びっしりと埋め尽くされた字たち。もはや数の暴力だ。ページをめくるたびに襲い掛かる眠気。話の内容なんて頭に入る訳がない。なんでこの21世紀においてまだ紙媒体のものを手間暇をかけてちびちびと読まなきゃいけないのか。理不尽な怒りがこみ上げてくる。

そういう訳で、本や小説、新聞のような活字は、超個人的嫌いなものランキングに生野菜、生魚介類、果物、ヒステリックにキレる人、ヤンキー、チャラい若者、虫に次いで第8位にランクインしている。(第9位は言葉の通じない外国人、第10位は和式トイレである)

 

そんな僕でも毎日ちょっとずつ読み進められるのは、選んだ本がたまたま自分向きだったからかもしれない。

 

何を読んでるかと言うと、森見登美彦の小説だ。

普段から本をよく読むような人にはきっと「勿体つけてブログ書いといて森見かよwww中学生の読書感想文じゃないんだからwww」

って思われているかもしれない。仕方ない。僕はまだそのレベルだから。ていうか森見ファンと中学生に失礼。謝れ。

 

3年ほど前、大学生協で新刊として面出しされて並んでたので買ってみた。

京都が好きでわざわざ京都の大学に来たような自分に、森見は読書の入り口にはとても丁度良かった。あの『四畳半神話体系』『有頂天家族』を書いた人だ。どちらもアニメで見た。たいそう面白かった。

 

『聖なる怠け者の冒険』

新聞連載していたものを改稿し長編小説としてまとめたもの。森見登美彦作家生活10周年のアニバーサリー的な作品だ。

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狸のお面をした正義の怪人が世のため人のために街を駆け巡り人助けをするお話。舞台は京都市内、祇園祭宵山の日。主人公の会社員は休日をこれでもかというほど怠けて過ごすことに命を懸けている。そんなわけで、主人公のくせに話の4分の1は寝ている。ほとんど活躍しない。その代わりに、主人公の取り巻く脇役たちと正義の怪人、怪人を追う謎の悪役っぽい人たちが話を動かしている。

 

心惹かれてこれを読む理由に、京都が舞台で、自分がふだん行動するエリアと話の中に出てくるエリアが非常に近くて話がよく理解できることと、出てくる人たちのほとんどが怠け者かどうしようもない愛すべきお馬鹿さんばかりでなところが共感の連続だからだと考える。

 

小説というのは、あくまで偏見なんだけど、小難しい心の描写や謎の回想シーンによるぐちゃぐちゃな時系列、童貞殺しの恋愛描写、くどくどした言葉の言い回し、もはや誰が誰だかわからない個性皆無のモブキャラたち等々、あまり良いイメージを持ってない。だって、国語の入試に小説が出てきたりするんだよ。それって問題になり得るほど難しいからでしょ。だから嫌なんだよ。

 

でもこれは全然そんなことはなかった。お祭りがある休日に怪人が街を走り回り、主人公たちがそれに翻弄されるだけ。京都市内から出ることもない。キャラクターはそれなりにいるが、すべて個性が際立っている。そして主人公は怠けている。恋愛もしないし、敵とも戦わない。試験もしなければスポーツもしない。だいたい寝ている。なんて素晴らしいことか。

 

この話の根本にあるのは、「怠け」であるが、これはつまり「労働」の裏返しともとることができる。「働く」とは何か。なぜ「働く」のか。「働く」ことで何を得るのか。誰の元で「働く」のか。

作中に描かれるキャラクター、例えば狸のお面を着けた正義の怪人が今まで助けてきた人たちに恩を仇で返されたり、仕事の依頼を受けても働かない探偵と代わりに働くもてんで役に立たない助手の女子大生、ずっと怠ける主人公。

彼らをずっと目で追うことで見えてくるかもしれない「働く」ことの本当の意味。名付けるなら、四畳半的宵山ぽんぽこ労働ファンタジーとも言えるかもしれない。いや、言えないかもしれない。

まるで狸に化かされたような気分だが、悪い気はしない。

 

昨日だか今日だかにこの本が文庫本サイズに小さくなって発売されるらしい。こんなブログなんかより2億倍面白いので、よかったら是非。京都にも足を運んで聖地巡礼なんかも楽しいかもしれない。

 

こんなことをつらつらと偉そうに書いているが、実のところまだ半分ほどしか読んでいないのはここだけの話。

さて、今晩も続きを読もう。